慢性のめまいの原因:遅発性内リンパ水腫
2012年11月07日
子供の時にウイルス感染したり、頭部外傷、炎症などで片方の耳が高度の難聴になっ
た場合、数年たってからめまい発作を起こすことがあります。
内耳にリンパ水腫を起こす点ではメニエール病と同じメカニズムです。
治療もメニエール病に準じて行います。
片側の難聴がありめまいが続く場合は、この病気の可能性があります。
風邪のメカニズム
2012年11月01日
風邪の原因の多くはウイルス感染です。
ウイルスが喉に感染すると炎症を起こして、痛みがでます。気管支に感染すると咳や
痰が出てきます。
炎症とは免疫細胞がウイルスを排除しようとする反応です。
炎症反応によって熱がでます。多少の熱であれば免疫反応によるものなので経過観
察でよいです。
高熱になると体力を消耗するので薬でコントロールが必要です。
風邪から肺炎を起こすこともありますので、症状が強い場合は早めに病院受診を。
治療可能な認知症ー正常圧水頭症ー
2012年10月31日
認知症の多くはアルツハイマー病などの変性疾患ですが、中には治療することでよく
なる認知症もあります。
正常圧水頭症は何らかの原因で髄液の流れが妨げられ、脳室に髄液がたまる病気
です。
症状は認知j機能障害に、歩行障害や尿失禁がみられる場合は疑われます。
診断は頭部MRIにて脳室の拡大がみられ、特に円蓋部という部分の脳が圧迫されて
いる所見が見られます。
この場合は手術をすることで症状が改善することがあますので、ご心配の方は病院
で相談を。
認知症とこくぶ脳外科・内科クリニック
動脈硬化と健診について
2012年10月23日
動脈硬化が進むと脳梗塞や心筋梗塞になる可能性が高まります。
動脈硬化を予防するためにはコレステロールや中性脂肪を管理することも大切です
が、それ以外にも血圧、血糖の管理、喫煙、慢性腎臓病(CKD)、加齢、心臓病の家
族歴なども大切です。
特に脂質管理が大切ですが、悪玉コレステロール(LDL)が140以上の場合、善玉コ
レステロール(HDL)が40未満の場合、中性脂肪が150以上の場合は注意が必要で
す。
定期的な血液検査をして、現在の状態をチェックすることが大切です。
CT検査で子供の癌のリスク増大と報告
2012年10月19日
子供のころにCT検査を数回受けると将来脳腫瘍や白血病になる確率が高くなる
Lancetという医学雑誌に報告されています。
CT検査が必要な場合は仕方がありませんが、必要以上の検査は控えたほうがよさ
そうです。
脳腫瘍のリスクが3倍になるとのことですが、もともとの数が少ないので過剰な心配は
必要ないと思われます。
頭部打撲・こくぶ脳外科・内科クリニック
脳卒中と認知症
2012年10月19日
脳梗塞や脳出血を起こした後に、認知機能が低下する場合があります。これを血管
性認知症といいます。
アルツハイマー型認知症の次に多いタイプの認知症です。
特徴は、まだら状の記憶力低下で病識や判断力は比較的よく保たれます。
記憶力低下はアルツハイマーよりも軽度のことが多いです。
高血圧や糖尿病などがベースにあることが多く、脳のMRI検査で脳梗塞や脳出血が
確認されます。
脳卒中とこくぶ脳外科・内科クリニック
メタボリックシンドロームと高血圧
2012年10月15日
メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積で、血圧が高くなり、血糖値が上がり、中
性脂肪が上がる病気です。
男性の約半分はメタボリックシンドロームかその予備軍といわれており、脳卒中や心
筋梗塞のなりやすくなります。
特に高血圧はほとんどの人にみられ、高血圧ガイドラインではARBというタイプの降
圧剤が勧められています。
血圧が高く、メタボのある方は早めに病院に受診しましょう。
脳卒中とこくぶ脳外科・内科クリニック
糖尿病とアルツハイマー病
2012年10月06日
糖尿病があるとアルツハイマー病になりやすいことが注目されるようになってきまし
た。
インスリン抵抗性、高インスリン血症のある方の脳の解剖をすると、アルツハイマー
病の原因である老人斑の蓄積が有意に認められるようです。
メタボリックシンドロームの方も、同様のメカニズムでアルツハイマー病になりやすく、
正常の方の約2.5倍なりやすいとの報告もあります。
若いうちから内臓脂肪に注意が必要です。
肩こり首こりによる頭痛
2012年09月27日
肩こり首こりの原因の多くは、首や肩周囲の筋肉の異常によるものです。
同じ姿勢を続けたり、運動不足になると筋肉の血流が悪くなっていきます。その後筋
肉に老廃物がたまり「こり」が起こってきます。
筋が硬くなってくるとさらに血流が悪くなり、肩こりは慢性化していきます。
肩こりからくる頭痛の特徴は、肩や首の筋肉の一部の異常に伴って離れた部分に痛
みがくることです。
この筋肉の異常部をトリガーポイントといいます。
肩こりによる頭痛の場合はこのトリガーポイントのある筋肉を治療する必要があります。
また筋肉の血流をよくするためには、普段から首肩の筋に負担がかからない姿勢を
することや、筋肉を動かすことで常に血流を低下させないことが大切です。
頭痛とこくぶ脳外科・内科クリニック
72歳 女性 言葉がもつれる
2012年09月24日
昨日から急に言葉がもつれるようになったとのことで当院受診されました。
手足の麻痺や感覚障害はなく、喋る時に少し引っかかる感じとのことです。
以前から高血圧で血圧を下げるお薬を飲まれていました。
頭部MRI検査では左の大脳に小さい脳梗塞ができていました。
その後お薬と点滴にて症状は次第に回復がみられました。
脳の言語野は左の脳にみられます。小さい脳梗塞ですが、ちょうど言語に関係する
部分の血管が詰まってしまったと考えられます。
今後は再発予防のための治療が必要です。
寒くなってくると脳梗塞が増えてきますので、症状がある方は早めに病院を受診しましょう。
脳梗塞とこくぶ脳外科・内科クリニック