38歳 男性 右の眼の奥の痛み
2012年03月06日
(経過)数日前から左の眼の奥が痛くなり当院受診されました。痛みは眼の奥をえぐ
られるような激しい痛みとのことです。痛みは突然始まって1時間程度でよくなります。
痛みがあるときは、痛さのあまりじっとしていられなく、痛む側の眼から涙や鼻水が出
ます。いつもだいたい同じ時間に起こるとのことです。昨年も同じ時期に同じ症状が
みられ、1ヶ月ほどで改善したとのことです。
(検査)頭部MRIでは脳腫瘍や血管障害など明らかな異常を認めませんでした。
病院に来ているときは痛みは全くありません。
(診断)は群発頭痛と考えられます。
原因は眼の奥の血管に炎症が起こり、三叉神経が刺激されることによって激しい痛
みが起こります。一定の時間に頭痛が起こることより体内時計が関わっているのでは
ないかと考えられていますが、詳しい原因はまだわかっていません。
片頭痛に効く薬がこの頭痛に効く場合もありますが、この方は効果があまりないため
抗炎症剤を使ったところ痛みが出なくなりました。また1年後に症状がでるかもしれま
せんが、次回も同様の治療で効果があるのではないかと考えています。
頭痛でお悩みの方はこくぶ脳外科・内科クリニック
62歳 男性 脳梗塞のケース
2012年02月27日
(経過)昨日から右手の力が入りにくいとのことで当院受診されました。また言葉も少
しもつれる感じも続き昨日より悪化しているとのことです。
来院時は、右上下肢の麻痺がみられておりました。歩行はなんとが自力で可能でし
た。しびれなどはないようでした。
(検査)頭部MRI検査を行いましたところ、diffusionMRI検査にて左大脳基底核という
部分に脳梗塞が確認されました。MRA検査では、脳の太い血管には閉塞や狭窄は
認められておりませんでした。
昨日発症の脳梗塞と考えられました。入院にて点滴加療とリハビリが必要と考えら
れ、総合病院に入院して頂くことになりました。
以前から糖尿病と高血圧があるとのことですが、薬は飲んだり飲まなかったりの状
態で、血糖と血圧のコントロールは不十分でした。
血圧や血糖値が高い状態が続くと動脈硬化が進み、やがて脳梗塞を起こしてしまい
ます。今後はしっかり予防することが大切であると考えられます。
76歳 女性 認知症のケース
2012年02月18日
(経過)最近になり物忘れ症状が気になるとのことでご家族が病院に連れてこられま
した。ご本人は納得されていないようです。同じことを繰りかえし聞くことが多く、大事
なものをしまいこんでしまい、あちこち探すことが多くなったとのことです。
既往歴:高血圧の薬を内服中
MRI検査では脳梗塞や脳腫瘍などは見られませんでしたが、脳全体に萎縮が見ら
れておりました。海馬の萎縮を見るVSRAD検査では中等度の脳萎縮が確認されま
した。MMSEでは19点でやや低下がみられ、遅延再生の障害がみられました。
診断と治療:アルツハイマー型認知症の診断で投薬を開始しました。
経過:薬を飲むことによって、やや意欲が出てきて、以前は寝ていることが多かった
のが、起き上がる時間が長くなったとのことでした。認知症の薬は進行予防効果もあ
りますので薬を続けることが大切です。症状の進行の程度はADAS-Jcogという検査
で調べることができ、経過をみながら今後薬を調整していきます。
科学的なダイエット
2012年02月15日
福岡伸一さんの「動的平衡」という本の中にダイエットの項目があります。
その中で、太らないようにするためには食事療法が大切であることを説いています。
まずは、一度にたくさん食べることなく少しずつ小分けにして食べることを勧めています。余分なエネルギーが脂肪細胞に蓄積されないようにするためです。
さらに、インスリンの分泌を促進させないような食事を勧めています。インスリンの分泌を促進させる食事は、脂肪細胞にエネルギーが蓄積されやすいとのことです。白米より玄米、うどんよりそばの方が太りにくいとのことです。
いずれにしても、1日のトータル摂取カロリーが基礎代謝量を超えないように、食べ過ぎないことが基本です。
31歳 女性 片頭痛のケース
2012年02月13日
(経過)高校生の頃から頭痛で悩まされている方です。頭痛が始まる前に目の前にき
らきらしたものが見えて、しばらくするといつもの痛みが始まります。頭痛が始まる
と吐き気がして嘔吐することもあります。光や音に過敏になるため、頭痛がするときは
暗い部屋で静かにしていると少し頭痛がおさまります。しばらく寝て、目が覚めたら頭
痛は改善しています。月に数回はこのような頭痛があり、生活に支障をきたしていま
す。市販の薬を飲んでいますが効くときと効かないときがあり、効かない場合は寝込
んでしまいます。
(治療)このケースは典型的な片頭痛と思われます。きらきらするものが見える症状
は片頭痛の前兆と思われます。嘔吐や光や音の過敏も片頭痛によくみられる症状で
す。この方は、頭痛が始まるときにトリプタンという頭痛薬を飲むことで、片頭痛が改
善しました(薬局では市販されていません)。また頭痛の回数が多いため、片頭痛
の予防薬を飲むことで痛みの回数が減り、寝込むことはなくなりました。頭痛を完全
に抑えることはできませんが、お薬を調整することで日常生活に支障をきたすことは
なくなりました。
頭痛でお悩みの方はこくぶ脳外科・内科クリニック
夜間頻尿について
2012年02月07日
高齢になると、夜トイレに何回も起きてしまうという方がたくさんいらっしゃいます。
原因は、前立腺肥大や膀胱の容積が小さくなるなるなどの問題、動脈硬化などの問題、睡眠障害なども関わっているようです。
原因によって治療は異なってきます。適切な薬が必要です。
薬以外の対策としては、やはり有酸素運動が効果的です。下肢の筋力をつけることが有効なようですので試してみてください。
インスリンとアルツハイマー病の関連
2012年02月03日
インスリンは血糖値を下げるホルモンで糖尿病と関係しています。
このインスリンがアルツハイマー病と関連しているという報告があります。
インスリンは脳を破壊するベータアミロイドの活動を阻害します。
糖尿病になるとアルツハイマー病になりやすいといわれています。
定期的な有酸素運動と低脂肪・低糖質に気をつけることが大切です。
認知症の経過をみるためのADAS-cog検査
2012年01月30日
アルツハイマー型認知症は少しずつ症状が進行していきます。
しかし認知症の薬を飲んでおくことで症状の進行をある程度抑えることが可能です。
その進行程度を見る方法としてADAS-cogという検査があります。
いろいろな質問をしてこれに答えて頂くことで症状の進行具合が判定でき, また将来の進行度について予想が可能です。
アルツハイマー病でお薬を飲んでいるかたは、当院でも検査を行っておりますのでご相談ください。

片頭痛の症状
2012年01月28日
1)脈打つ頭痛
2)頭痛時のはきけ
3)光や音に過敏になる
4)頭痛時に動くと症状悪化
5)頭痛で夜目がさめる
以上のような症状がいくつかある場合は片頭痛の可能性が高いですので、病院で相談しましょう。
首こりと頭痛
2012年01月27日
首の周りの筋緊張が高くなると頭痛を起こしてくることがあります。
胸鎖乳突筋、僧帽筋、板状筋などさまざまな筋肉によって頭が支えられています。
首の筋肉の一部が過剰に収縮することによって、筋肉内に硬いしこりができることがあります。このしこりをおさえると頭痛が引き起こされることがあります。
これをトリガーポイントといいます。いわゆる「つぼ」の部分と重なる部分が多いといわれます。
マッサージなどで改善する場合もありますが、ブロックの注射が有効な場合もあります。
頭痛の原因はさまざまですべてがこれで説明はできませんが、筋肉のしこりが頭痛の原因の一つになっていることはあるようです。
慢性の頭痛で困っている方はご相談ください。